季節の変わり目は懐かしい、小学生の頃や中学生の頃を思い出す、そんなに時間は経っていないかのようだ、でも鮮明には思い出さない、ぼんやりとしか思い出せない、昔はそうではなかったはずだ、いつからこうなったのか、いつから、ぼくはこうなのか、今のぼくにできることはなにか、ぼくは目をつむる、もう少しで眠気がぼくを覆いつくす、まだ指は動く、自動販売機に釣銭をそのまま残してゆく人、裏路地、月の影、ぼくは今朝ガルシア・マルケスを読んだ、マジック・リアリズムという言葉が浮かんだ、読むためにその言葉はいらない、いるのは当然のことながら川の下に住みつくこと、玄関の扉を開いたらおしまいにならないように、そうメル友だった女の子の病気、今でも生きているのだろうか、公園、一人で手帳に思いついたことを書き記す、その手帳の成れの果て、センチメンタル夕暮れ、神聖かまってちゃん、雨宮せつな、鋭く体の中を過ぎてゆく、もうまもなく眠りにつくだろう、そんな簡単なことではないか、友が死ぬということ、ぼくが死ぬということ、地面に書かれた線をなぞってゆく、まだ眠っていないのか、いい加減にしろ、わかりました、おやすみなさい。