ずずだずずだ、じぶごぼんときとくらっつぇ、ときとくらっつぇちゅーちーたむじょぶぼぶぶぼぼん、むくむくくむるこむろっぷもんめもと、ちゅきちゅきちーつぁつぷーぷるんぽーばらんだっぜ、じぎじーざぶんどぐらんぽっぺぷ、くるしい、ぱぷぱぷぽーぽめんぷーらんぷぶー、ぎゃあはちゅきちゅきつむらむとむもむんめんとひーいずくーぐぐらんくらっつぇ、ぐぐらんくらっつぇとんちーかくぷー、ことばのじゅんすいなかずがせめぎあう、ぎゃはぎゃはぶるーむめんと、てんからおりてきためんと、すきすきそらたかくみちがえたほしぞらのゆうぐれ、きみはしずかにいなくなる

くつり、くつり、ほらばああああ、じざすぷじゅずづつ、がぢごんごーらんぱてってんど、ぐりずばずずじい、じざじずぞっとんでいつーーーほら!じがじざむづつつ、ぢら!どぼるぼどーぞぞづ、からだがおぼえているつきのみのこのたと、じんぜじっでんどゆーぶらでづ、でづ、ぎらこうりょうてんこうさい、ぢら!ぐりずばずづづづっとてん!ぎゃらんどぅしもふみかたのちし、ぜんぶぼぶうとんでじん!がらがらんどぶらねずみ、ちから(ちあら)ぬいてててんてんてん、ぎらこうそっきゅうゔゔゔぅ、ぢら!ぜがいどじゅうじんばどぶろがっだ、ぢら!

 海がさわぎ、大きな鏡がひとつ、わたしを映している。空を見ても地を見ても、苦悶するわたしの顔はどうどうと、せかいが割れ、そのき裂が古いたたずまいを、死んだ妖精の容貌を、ざわめきが死体を取り巻き、触れている手はとけ、消え入ろうとする火はあなたの胸を焼く、血はざらざらと舌をなで、狂い出した視界は、脳天をつらぬき、まずここにいるということが失われる、わたしの肉体はだらりんと床に倒れる、ものがものでなくなる、人がからだをうしなう、視線となったあなたは、わたしを破壊するためにわたしに向けられる、文字はつらつらと流れ、覚醒はどこかへ消え、次から次にあなたの父親の、痰や尿や便が、わたしの顔にぬられる、あなたは踊りあがって飛び跳ねてわたしを見つづけ、サラダをしゃきしゃきと噛む様子は、ときどきうかがわれた、動物園の猿じゃないんだから、声じゃないんだからメロウの礎のひかりの夜空、電磁石がびりびりと、少女の裸体をなめまわすという一種の病にとりつかれた科学者は、ときおりことばを運ぶさまを、幽霊に見せた、しまうまの肉を食らい、必死に生き延びようとした声のかぎりの導きの、つづきの先端に触れる焼け野はら、夜はいくつもの幻を見せ、身体の欠如も不都合ではない、絶えず拡張しようとする意志は、燃える石のように油を受け、蒸発と粘着がけっこうきれいなんだな、必ず破壊があるから、いつでも奇跡を起こせるんだ、だから、対象をずらす、天の声を裂く、ちりぢりになった雲が、太陽をまだらに隠すのを、すべてを奪うために、差し出す手を、切断する。

 みぎうでをさしだした、みぎうでがせつだんされ、そのくうはくをあなたのみぎうでがうめた、らいめいがとどろき、わたしたちのからだがあらわになる、それは異様なかたちをしていて、その瞬間をしゃしんで切りとられる、わたしたちはじっと耐えなければならない、それなのにさいだんされた瞬間を、発散へと向かわせるわたしの、かたちをみちびくことのできないあらわになったもの、しはいするもの、とおりみちですれちがって、ふとふりかえるとわたしがいる、あなたはとくべつなものをもって、ひろがりにてをくわえている、わたしは一瞬であることをうしろめたくおもっている、くるしそうなこえをだし、じっさいにあなたのみぎうでがいたい、あしがざらざらとしたじめんを、あるこうとするのを、ためらうわたしのしんせいなもの、それでいてゆかいなもの、ふるえるものをこばみ、ちからづよいものをそっとうけいれるふりをして、わたしのむいしきはなにをみているか、そらを、やまを、はてはうみをみて、いやそのそぶりが、わたしをこんわくさせる、きみはしっている、おどろくようなことはなにもないと、でもしらない、なにをかんがえているか、ざわつき、さわぎながら、とうめいないとをくわえて、かみちぎっている、

 ぐな、てか、ちょん、ばり、ぐな、てか、じょん、ばり、むつか、しい、こえのなかの、とりだせないもの、がたり、ひと、のこえの、せつめいできな、い、くるしみ、の、かたち、のこえ、の、ひらきのゆうぐれたそらはまっさおにわれてゆくガラスの瓶にほどけられない足跡があると思い出してわらうのは卑怯なもののかんじかた、つち、いろ、せいじゃくのかなたから、そら、みじんもないけはいから、した、べろ、夕焼けが痛い、いたい、みえないはずの、さまざまな感触、ふつかよいのやわらかないきおいの、ひろがり、みつど、土踏まずが切れる、日射しを裁断する、帰ってきてもいい、わずかなかけらを噛み、砕けた、ひかりとともに、みちがえる、な、の、な、の、ご覧のとおり、せつどをたもって、みじかかった、砂ぼこり、ひろがり、みつど、先端がさした、魔が、ちんもくにおりたち、神殿を壊し、さまざまな分裂が、おとをたてて、おとをたて、むつかしいとわらった、ようこそ、わたしたちのむらへ、感嘆符をつけて、いじょう、なりょくないしょうが、あじわいをつくして、しんでゆく、しにゆくはずの、雪原、野原、いとでんわ、かくれる、かくれれ、る、とてつもないみじかさの、かんがえられるさいていのさいたんの、ひかり、いつ、まで、つづくの、か、いつ、ま、で、つづく、の、か、か、か、く、る、し、い、とてつもないはずのものがとてつもなくもないはずのものとなってひかりをおびながらはんしゃしながらそれをたくわえるひびにわれるおとにさいだんのさいていのみつどのこうけいのひらけたそらひらけたきずぐちむらさきいろのくうきがきえるきえるきえるほら、土がいたいといっている、ほら、みじかい気配をかんじてる、その感じ方に疑問符をつける、のなら静寂はいともたやすくひかりのおびとなってゆくのだ、

 水がぶくぶくと泡を立てあなたが分解、結合を繰り返し、ずっと先のヒビに膠着したとけ出した精神の身体を洗い流す導きが風景を死詩ある紫の柑橘ずっと魚のうろこが性器のふくらみをぬるぬるとした味わいとして次の段階へ、わたしは公園のベンチを裏返してなめていた塩の削りがミーヤキャットの教育の墓場の戦場の土の占い、地割れがうつくしいひかりを澱のように溜まってゆく精液の神殿にさまざまな分裂がたやすくあざとく汁を垂らす、交通事故の円転は星の傷を飲み、ブルースウィルスの火照った緊張は空をまるごと含み込む、あさっての夕焼け、説明前夜太平洋のしなりを蛙のように跳ねた時計にしまっていく、果ては果て、絶縁体は電撃を軽々とかわし可愛い胸の滴をどっと束にして送り出す、首の痛みは塩加減でレモンとともに炙り、書くことは己の樹液に糸を刺すことだと吐き出されたチカに点滅を促した口径、どこまでも手が伸び足がしなり砂をこすって透明な水溜りに目を洗う顔のずっと先の古池、次々と割れてゆくガラスの烏瓜がシダ植物と混合しそうめんの艶やかな生き物のようなフルーツは燦然と苦痛に歪んでいる、もっと続きが欲しい、もっと熱を冷却の彼方にあたらしい名前、あたらしい文字列をふりかけた鮫肌のおろした胎児のようなぐちゅぐちゅとした肉のうめきを大切にひっくるめた、もう磁気が天を蝕む総体で人工的に横断歩道の色合いに混ざりゆく色彩の転向がわざとらしい嘘をタンのように喉にからませながらじわじわと染みるしょっぱい後味を覆す、

四枚の写真

 四枚の写真

 一枚目、駐車場だろうか、赤い車の後部が右にわずかに見えていて、その反対、左には大きな荷物だろうか、画面上部の濃いピンク色の傘、その黒いふち以外は、ぼけて、淡く、おそらく雨に濡れているコンクリートの地面が、空の白さ、あるいは赤い車や大きな荷物、その向こうにあるだろう家々を映している、大きな荷物のようなものは、その上部の一点が薄黄色に丸く光っている、その反射も地面にある、この黒いふちのピンク色の傘は、撮影者の傘だろうか、傘の横幅は、その傘の半分以上を見せているにもかかわらず、傘をさしている人の姿が見えない、いったいこの写真の撮影者は、なにを映しているのだろうか、なにが見たいのだろう、なにを感じているのだろう、傘をさしながら街を歩いていて、ふとぼんやり辺りを見て、なにか追憶しているのかもしれない、過去のこと、あるいはこの先のこと、それらの漠然としたすべて、いやすべてというよりもおぼろげなぜんたい、わたしたちはこの目で、他の景色を見ることができる、景色はぼんやりとかすみ、おぼろげな記憶と混ざり合う。

 二枚目、画面は上と下で分かれている、下はぼやけていて、オレンジ色のなにかが中央で斜めに裂かれて、左側は黒い影になっている、画面上ははっきりと見える、赤い車体に黄色いふちの車の上部だ、つまりオレンジ色のなにかが、赤い車体の下部を隠している、車の窓は開いていて、運転席はわずかにしか見えない、後ろ座席の窓には、車の中の窓際にかけられた吊革を指でひっかけていて、そのオレンジ色に近い肌色の手があらわになっていて、手首は長く、白い袖と、その上に着た黒い服の袖が、窓枠の中にわずかに見えている、だが手以外の人の姿は見えない、そこにあるはずの頭はなく、窓からは反対の窓に見える、オレンジ色の家の壁が見えている、ぜんたいはオレンジ色を基調としていて、これは拡大された一場面で、撮影者であるソール・ライターは、対象にとても近づいている、一枚目の写真は、対象に近づかないことによって視線はぼやけ、視線の内側に近づいている、これはソール・ライターの秘密のひとつかもしれない、画面左上、車の後部窓は、薄く透明に、白く淡くひかりを透過させている。

 三枚目、街の通りの店の前だろうか、背景は金色の文字の、おそらく店の名前だろう、それとともに、鈍い金色と薄汚れたような黒の絵、――右下は葉をざわつかせた木が、その左には女性らしき人が座っている、画面左はガラスでできていて、店のなかには、やはり金色の鉄でできたような花が咲いていて、影は黒というより淀んだ緑色で、その画面の中央には三分の一以上を占める紫色の大きな帽子をした、鼻が高く整った顔の女性が、橙色の服の襟と、長い首を帽子に斜めに隠されながら写っている、この女性に近づくことでこの女性はぼやけ、代わりに背景に近づくことになる、近づくことによって見えなくなるものと、近づくことによってよく見えるもの、それらが倒錯しているように思える。

 四枚目、雪の街をひとりの男が、黒い帽子とジャケットを身につけ、薄い色の荷物を右手に持ち、右へと歩いている、画面の三分の二を占める地面は真っ白で、その向こうの道路も、幾分灰色と混ざっているがやはり白く、道路の向こうには黒いかたちの人がふたり、信号を待っているようだ、男は白色の中へ消えてしまうように膝の下は白い、これはもしかすると、くもったガラス窓に映った男を映したものかもしれない、男の膝の下は、手に持つ荷物とともに白くなっているが、何本か縦に男のズボンの色であろう黒色の線が走っていて、その線はくもったガラスに滴る水滴が見せた線かもしれない、直接男を写したらこのようには撮れないだろう、画面全体がぼやけているのもそのせいかもしれない、対象を捉えるために、対象の反射を写すこと、その独自の近づき方、それもソール・ライターらしいと言える。