2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
夕方、川へ行く。まだ春なので、この時間帯はほんとうはまだ見上げなければならないところに日があり、行って帰ってもまだ日は落ちていないから、夕方ではないのだけれど、夕方と言ってしまう。4時とは言いたくない。何と言えばいいのかわからない。風がす…
雨が降っていることに長い間気づかなかった。窓から見える景色は晴れ渡っていたからだ。だが、その窓は、かなり遠くの景色を区切っていて、この町のどこをも、このベッドからは見ることはできなかった。なにをする気力もなく、なにを考えているということも…
その川には、昼過ぎに着いた。走るよりも歩く方がいろいろなものを見ることになる。ついさっき思ったのだが、道をまっすぐに歩いていて、途中十字路を渡り終わった直後に十字路の「ー」の道を車が通り過ぎたとき、そのまま歩き続けて振り向くこともない僕は…
そのときが正確にいつだったのか、ほとんど覚えていない。小学生のころのような気がするが、一緒にいたK君は別の小学校なので、あれは中学1年くらいのことだろうか、まだ僕もK君も子どもっぽく、中学生が乗るような自転車ではなかったから、入学してすぐ…
昨日は街に行った。去年、そこへは何十回も行ったので、どこもかしこも見飽きていた。店に入ることはなく、見ることだけを目的に行っているつもりだったが、たまには店に入ることもあったかもしれない。ともかく、飽き飽きしていたその街に、あるものを買い…
作家のMの講演テープを聞きながら、いくつか考えた。エッセイと小説の朗読があり、それぞれの説明がある。「小説は'無意識'によって書いているのでどう書いたかというのは説明ができない」と、まず言っていた。('無意識'とはなにか)。朗読されたエッセイ…
彼は記憶力がよく、印象的な出来事は映像のように鮮明に覚えていると言った。出来事を思い出すことは映像を見返すことに近いらしい。ということを、彼が小・中学生のときのことを話しているのを聞いて僕が感じたこれらのことを、彼が同意したのだった。人は…