2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ざらざらと音がする、ぼくの頭は破裂の一歩手前だ、ざらざら、ざらざら。そしてその雑音の中に透明なものを見る、そう、ぼくはそれを心臓のように取り出してみることができる、透明なものに血の流れはない、脈打つこともない、しかしそれは心臓のようだ、心…

透明なものを手にして、静かに時計が言うのです、アラマイト、アラマイト。

静かに削られてゆく音がする、ひりひりと痛むような、血が滲み出るような。

あざやかに切り取られた魚の首を、なまなましく見つめた少年は、修理不能な機械とともに暮らしている。

おそろしいものを書けるんだね……空が、真っ赤に熟れている。光のような糸がそこから降りてきて……静かなその糸を折りたたむ。難しいことはない、何ももとめていない、ただ通り過ぎるだけで……幻視が待ち構えている、すべてはもっと複雑に構えているのだと……鳥…

ぼくはいま、小説を書き、詩を書き、絵を描き、詩を筆写し、ヨガの呼吸法とアーサナをし、歩き、走り、写真を撮り、歌をうたい、本を読んでいる。今年の6月1日から段々とこれらのことが始まり、いまはそのすべてを習慣化している。病を創造のエネルギーとし…

じりじりと削れてゆく、意図的な拝借を無視して、そこで行われているのは隠微な結合だ、魚や鳥が混ざり合う、出会いは少ない、だが未来を保証できるわけでもない、発散ができればいい、無理心中する必要もない、生きた証が欲しいだけだ、でもそれは無駄なこ…

手が腐ってゆく、その手でひかりに触れる、あたたかい、でもつめたくもある、その手できみに触れる、きみは微笑んでぼくの手を取り、口づけをする、ぼくの手は落ちてしまった、体から、そしてぼくの内部が漏れ出してゆく、やがてそれは氾濫になり、とめどな…

ちいさくてきれいで、まるくてつるつるしている。それをてにとって、くちにふくむときもちいい。そらがはれわたっている、くもがちぎれてきえそうになっている、そのままぼくのちからがぬけてゆく。からだがなくなってゆくきがする。きじゃない、からだがな…

ざらついた感触のただ中で、きみが血を吐き出している、その通りのままに、血は流れてゆく、きれいなものや汚いものを通して。そして栄光が開かれる、万物は流転しながら、時計じかけのオレンジさながらに、蛍光色が散りばめられて。竜王は語る、アソファキ…

夢を見つめる、意図的な背景を無視して、そこに開かれているのはわたしの心臓、変わらないものの石、操作的面、重要度は変わらない、かすかなうねり、形容詞の剥奪、さまよう言語、そこら中にばら撒かれて。 さらばと言おう、この古びた町を捨てて、かれは空…

そう、どこからか電話のベルの音がして、目を覚ましたぼくらは、いつのまにか月の話をしていた。そうして過ぎてゆく時間のなかで、目に見えないものを触ろうとして、それは拒絶され、あえなく失速し、意気阻喪し、重要文化財の隅から、時計が跳ねてやってき…