ざらついた感触のただ中で、きみが血を吐き出している、その通りのままに、血は流れてゆく、きれいなものや汚いものを通して。そして栄光が開かれる、万物は流転しながら、時計じかけのオレンジさながらに、蛍光色が散りばめられて。竜王は語る、アソファキスのドリームランドへ行きたい、そのために男たちと女たちを交わらせる、高貴なものの宿命、糸、ガンジス川のほとりで、きみがまだまだ吐いていて。そのままぼくは、川へ飛び込んだ、水をたっぷり飲んでしまって、死にそうだ、それでもなんとか泳ぐ、或いは泳ごうとする、ばたばたと溺れているように見えるかもしれない、それでもいい、生きていれば、だが死んでしまった、ぼくの頭から足までが、つまり腹や腰も含んで、水没してしまった、皮膚が水でふやける、それは笑っているみたいだった、だからぼくは書いた、現状を、宿命を、そして祭りのあとの名残りをかき混ぜて、シロップをつくる、いっぱいかけて、ねえ、消える、消えそう、消えない、ある、いる、いる、ここに、ほら、見て。頭から大量の毛が生えている、それは当たり前のことだ、でもぼくには異常と感じられる、ぼくは死んでいた、いつのまに?いや知っていた、死ぬことを知っていた、だから迷わなかった、きみの前に現れる、きみはまだまだ血を吐いているね、それでもいいよ、ぼくはきみが好きだ、するときみは答える、わたしはきみのことが嫌いだと。空気は凍りつき、言葉は体中に封印される、そのままなんだぼくは、だからそれでもいい、アソファキスのドリームランド、そこで待ち合わせをしようよ、もう体はない体で、きみは血をなくして、もう帰ることが出来ない夜更けで、目が冴えるままに、一緒に行こうよ、とぼくは言い、そう書いた。だから今ぼくは自由だ。