もう眠い、半分は気がふれそうで、もう半分は眠い、目をつむって、じっとする、不快な感触が体の内側にある、それをどうにか追い払いたい、やはりこのまま眠るしかないのか、そこまで悪くはない人たちが捕まってしまう、眠気とのたたかいだが、果たして勝つことは正しいことか、殴られたときのことを思い出す、初めて殴られた、ぼくを殴った人はいま何をしているだろう、好きなことをしているのか、熱狂したふりをしたこともあった、そのときにはそれがふりではなくほんとうだと思っている、何もかもを伝えたい、でも時間は流れてゆく、文章は時間を崩すことができる、でもその文章がなくなれば、つまり目の前からなくなればその時間はなくなる、時間とともにぼくの体も持っていかれる、洗濯機が回る音、暖かい季節になって増えた虫たちの声、そんなものはないという声、それも聞いたことのない声で、ぼくは辺りを見回したが、海だけしか見つからなかった、その海にしても大した海ではない、海岸は人口の砂で埋められていた、そこにビキニを身に付けた女があらわれる、彼女はぼくの同級生だ、胸が大きい、谷間がよく見える、そんな彼女はいまでは警察官だ、噂通りにことが進んでいたらの話だが。ぼくは眠いようで眠くないが気をつけなければならない、気がふれてしまえばぼくの敗北だ、だれかと戦っているわけではないが、いいや戦っているのか、それならぼくは殻に閉じこもろう、ぼくはあとは目をつむればいい、占い師に気をつけなくてはならない、いろんなことは未解決だ、だが解決する必要もない、そのままにしておけばいい、そのうち勝手に朽ちてゆくだろう、何が朽ちるのかはわからないが。そろそろ寝ます、おやすみなさい。