2019-01-01から1年間の記事一覧

日課について

ぼくは、小説、詩、批評、絵、書、ヨーガ(アーサナ、呼吸法)、舞踏、詩の筆写、写真、作曲、読書、朗読、という日課を毎日している。半年前くらいから徐々に始め、今に至った。だが、ぼくは、小説と批評を、おろそかにしている。小説は、一日五分しか書か…

苦痛。しずかに揺れている。振り返ることができるなら、ぼくは安心するだろう。でも。さまざまなことが過ぎてゆく。構築されたものを解体して、解体したものを構築する。きみの指先がさすもの。諦念がまとわりつき、なにかをしようとする気を起こさせない。…

失ったものを、失わない。そのことだけがぼくをすくう。でも、失ったんだ。 遠くで山が銀色に光っていた。そんなことってあるか? なにもする気力がない。損ない続ける。永遠に損ない続ける。 なにかことばを口にするといい。たとえばりんご。ひとつのりんご…

きみのからだがくるしんでいるというので、ぼくはきみのためになりたかった。きみのからだがはきけをもよおしているので、ぼくはうけざらになりたかった。 でもできない 果ての果てから、叫ぶ声がする、果実が実る、その汁を吸う、ぼくらはきれいなもののた…

散り散りになった雲の果て、最果ては腐りかけている、くぐもった声、隠された出来事、うつくしい物語、知らない閃光、ちぢまってあらわれたもの、海の向こうには何があったの? 時々の時間、ふくりゅうえん、悪いことは要らない? 果ては伸びたりちぢんだり…

瓦礫の山の中で、ぼくは埋もれていた。きみが見つけてくれるまで。でも、誰も来なかった。だからぼくは自力で瓦礫の山から出てこなければならなかった。二年経った。あれから少しも変わっていない。嘘みたいに変わっていない。でも着実に衰えてゆくのだ。本…

傷ついた光が、わたしの喉を突き刺した、絶望とか苦しみとか言ってられず、だからといって楽しいわけではない、ただ作り続けろと言われたみたい、言われて、そうする、と頷いたんだ、光はぼくのものだったかもしれなかったけれど、もう別のひとのものになっ…

自殺した。美しくなった。きれいになった。かさぶたが取れた。血が流れて、川になった。川のなかにいると、ひかりが大切になった。ひかりとともにいた。空が割れて、うみが出てきた。その汁に、舌を伸ばす、わたしにはわからない、そうかもしれない。それな…

血、乱れて、雲の糸、はくじつのもとにさらされて、事実は不愉快、想像されたもの、結晶化されたウイルス、地盤の崩れたありか、蟻か、友達たちの恋心、わざわいが果てを生み出し、精神のありかを探る、事実は否定されて、曇り空はるか遠く、西の島の地は血…

大切なものが、大切でなくなるとき、わたしは手を動かし、動かなくなり、記されたものは、ひかりのかがやきを失い、途中経過を振り返り、関係のないものも巻き添いにして、記憶が揺さぶられ、見えないものを見ようとしている、それでも痛みは必要だから、家…

あなたは、いる。あなたがいることを感じる。ぼくは、どこにいるか。わからないところに、いる。でも、いる、とは思えているから、どこであってもいい。あなたは、どこにいる? あなたは、書いている。ノートに、ペンを使って。あなたは、ぼくのことを書いて…

片岡義男の『窓の外を見てください』を読み終えてから何日か経つが、日が経つにつれて印象的なシーンがせいかつの中で蘇り、響いてくる。良い小説だったと、改めて思う。 たたかう日はまいにち詩のような散文のようなものを書いている。自動記述のように、ほ…

村上春樹の『羊をめぐる冒険』がもうすぐ読み終わる。羊博士が出てくるあたりからおもしろさを感じ始めた。この小説が物語として機能し始めるさまを読み取った。村上春樹の小説、特に長編は、ほとんど全部読んでいるが、やはり『羊をめぐる冒険』には村上春…

家に帰ったら、佐々木敦の『私は小説である』がとどいていた。手にとって、ぱらぱらとめくってみただけで、良い本であることがわかった。ぼくは、小説と詩を書いている。小説はノートパソコンで、詩は手製原稿に手書きで。どちらもぼくにとって重要だが、ぼ…

村上春樹の『羊をめぐる冒険』を読んでいる。前半が終わるところだ。その少し前に『風の歌を聴け』を読んでいる。『1973年のピンボール』は途中で読みやめた。村上春樹は、友人が好きで、すべての作品を、何度も何度も読み返しているほどで、その彼の書…

片岡義男『窓の外を見てください』を読み終えた。ある批評家がツイッターに書いていたように「超自然体メタフィクション」だった。小説のなかに小説があるというのも不思議だった。小説のなかの小説が、小説を追い越そうとしていって、小説なのか現実なのか…

片岡義男の『窓の外を見てください』を三分の二ほど読んだ。その前に読んでいたカフカの『巣造り』も読み終わった。『巣造り』に関しては、もう十分感想を書いたので、『窓の外を見てください』について書こうと思う。『窓の外を見てください』は、駆け出し…

なにも書くことがない気がするが、書いてみる。ぼくは、今日はほとんど本を読んでいない。かろうじて読んだのは、福田拓也の『惑星のハウスダスト』の中の詩二篇である。『惑星のハウスダスト』を読んでいて思ったのは、坂口恭平の『けものになること』との…

カフカの『巣造り』を読んでいる。読んでは体調を崩している。いまのぼくにはまとまった量の文章を読むことができない、耐えられるだけのぎりぎりの量の文章を読むことにしている、それでもぼくは昼頃から調子を崩して、昼寝、というより横になって目をつむ…

カフカ『巣造り』

今日読んだのは、カフカの『巣造り』と、片岡義男の『窓の外を見てください』。『窓の外を見てください』は、昨日は結構読んだが、今日は数ページも読んでいないから、カフカの『巣造り』について書くことになる。ぼくは、親友が書いた『夢』という小説を、…

血、乱れて、意識、消えて、震える、手先を、透明な水に、漬ける、それ、がふくらみ、糸は、解釈を過ぎて、絶対、不安定、存在、散らばって、肉とともに、啄ばまれる、これは、詩です、不安定な、詩です、死です、紫色の、カンダタのように、閉じられたもの…

死を覚悟して、指を動かし、文字を綴る。何が出てきても、ぼくは無抵抗で、打ち負かされても、何も言わない、思わない、わたしは半分機械だから、半分のことはやり過ごすことができる、もう半分は肉体が、その水分が食らうが、それをプールーがかばってくれ…

お前は、ただただ絶望すればいい。絶望して、苦しめばいい。それが生きる喜びなんだろう。それなのに何故拒絶しようとしている。すべてのものが光り輝くと信じているのか。虚無が圧せられると思っているのか。お前は、死に近づけばいい。死んで、いつかまた…

爪先立ちして狂わせて、井戸端回転、井戸端回転、できそこないのミイラが飛んで、侍一太刀切る、切る、切る。

血をぬぐうように拭いて、ひかる表面を指でなぞる。ご覧の通りわたくしは、体が半分機械になった、その体で湖に落ちたんだ。書くことだけでは震えない、地殻変動が刻まれる、空高く、思うものもなく、明らかなことは確かで、自由の競争が行われる、ほら、見…

世界はどんどん壊れてゆく。ぼくはぼくとぼくをした。

扇風機が怖い。表情を変えずに風を送り出している。ぼくは扇風機をにらみつける。割れてしまえばいい。でも何も変わらない。当たり前だが、それが怖い。ぼくは足の指で扇風機の風量を調節する。強、から弱、になる。もっと怖くなる。ゆっくりとゆっくりと風…

生きとし生けるもの、その解体をば遂行し、天の力を恵みとともに授かり、何が起こったのかわからないまま白は白で黒は黒く描写する。

ざらざらと音がする、ぼくの頭は破裂の一歩手前だ、ざらざら、ざらざら。そしてその雑音の中に透明なものを見る、そう、ぼくはそれを心臓のように取り出してみることができる、透明なものに血の流れはない、脈打つこともない、しかしそれは心臓のようだ、心…

透明なものを手にして、静かに時計が言うのです、アラマイト、アラマイト。