家に帰ったら、佐々木敦の『私は小説である』がとどいていた。手にとって、ぱらぱらとめくってみただけで、良い本であることがわかった。ぼくは、小説と詩を書いている。小説はノートパソコンで、詩は手製原稿に手書きで。どちらもぼくにとって重要だが、ぼくは、このふたつに加えて、批評も、始めたいと思っている。この日記は、いわばその前段階にあるものだ。批評こそが、病を解決する力を持っている。詩はどうかわからないが、というか詩はぼくにとって、病のエネルギーを創造力として昇華するためにあるが、小説は、病をさらに深めるためにあるもののように思っている。批評をすることで、そのバランスを取りたい。だから、批評家の本を手にする。
 八月十日から書いていた小説を今日書き終わった。これから手を加えるかもしれないが、基本的にはいまの形のままで完成形となる。次の小説は、まだ降りてこないから、断片のようなものを書いて繋いでいる。『羊をめぐる冒険』を読んでいる。やはりいまのところ感想らしいものはない。そういえば、吉増剛造の本棚にあり、吉増剛造をおとずれた人が吉増剛造にすすめられたという、瀬尾育生の『吉本隆明からはじまる』を、アマゾンで注文した。あさって届くと思う。吉本隆明は、おそらくぼくにとって重要な批評家・詩人で、その批評、あるいは解説を読むことで、吉本隆明に対する認識を深められたらいいなと思っている。