2016-01-01から1年間の記事一覧

テープに録音して文字を書く

午前、十一時。テープに録音した文字、言葉を、打ち込み直し、ここに書こうと思う(実際は、一度原稿用紙に書き起こした)。テープで話す、文字になるものを書くと、常に時間が流れている。書くときは、時間が流れない。録音では、このテープが回る音、録音…

村上春樹と大江健三郎

今、読んでいる本は3冊です。大江健三郎「新しい人よ眼ざめよ」、吉増剛造「我が詩的自伝」、保坂和志「小説、世界の奏でる音楽」「新しい人」はKが読み、感想を言っていた。 「僕は、村上春樹の小説を読むことで、可なりの部分を補われているが、それでは…

今日のテープ

昨日の続きのことを書く。僕は、今のところ、逃げ、避けることができている。この後に、なにかが待っているかもしれないとしても、今は、安穏としている。だが、いつでも立ち還ることができる。 そのような還り方は間違っているのか。気がつくと崖の手前にい…

ざわざわしたこの感じ

ざわざわしたこの感じ、これは旧仮名遣いの「い」から始まる仮名の彼女が投稿した、ある日の日記(のようなもの)を撮った写真の文章を、僕が打ち込み直してみたからだろうか。あまりよい状態ではないので、一度文書ファイルをつくったが削除した。僕は今朝…

テープレコーダー

ポータブルのテープレコーダーを、おじいちゃんのものだが内緒でおばあちゃんにもらった。すごくおもしろい。持っているiPod touchでも録音できるが、全く違うのは、アラーキーがデジタルカメラには皮膚がないんだと言っていた、同じことが言える。カセット…

異なる入力を一つの記憶内容として出力すること

朝。今日僕は何をしようか。 「こんにちわ」 こんにちわ。 「久しぶりですね」 あなたから現れましたが。 「何か、本を読みたいのでしょう。ほら、手元に一冊、『小説、世界を奏でる音楽』、これを読みたいのですね」 何を読もうかと、本の山から取り出した…

心音、「あなた」と「わたし」

このやる気のなさ、年に何度か見舞われる、どこかへ出かけるのも億劫、部屋で、何をするか、本を読むことも面倒だ、どうしてだろう、いざ読んでみたらおもしろいのではないか、ひとまず考える材料のように読めばいいのではないか。 今日は配信を見ていた。そ…

後藤明生「マーラーの夜」

4日間の小旅行が終わった1週間前から、ほとんど本を読んでいない。最終日の帰りの電車で読んでいた遠藤周作の「沈黙」を、途中で読みやめてからだ。 今、机の上には5冊ある。 「地鳴き、小鳥みたいな」 「カフカ・セレクションⅢ 異形/寓意」 「月光/暮…

二ヶ月ぶり

読み返したら、おもしろい。また書き始めようか。

ぼくはその土にきらやかな水を落とした。美しい、と通りすがりのお婆さんは言った。私はもうじき死んでしまうけど、それはうつくしかった、と言って、山の方へ去っていった。コンクリートの道である。だが、とても古く、それは土のようだったと言っていい。…

ゴドーを待ちながら

『ゴドーを待ちながら』を昨日の夕方から読んでいる。今、作家のツイッターを見ていた。読みながら居心地がわるい。作家たちも仲良しがたくさんいるんだ。 文学フリマというものがあり、よくわからないが、素人が、書いたものを、作品として売っているのか。…

考える、自他、因果律

考えるということは、その時いるところで目の前にしているものごとを、ないものにすることだ、と数日前に分かってきた。歩いていて、ふとなにかを考えているとき、道の向こうで誰かが転んでいても、気づかない。やり方によって、考えることは自らの生を狭め…

現実の区切り

谷川直子「おしかくさま」。中井久夫「最終講義ー分裂病私見ー」を読んでいたので、50代の姉妹二人と妹の娘一人と70代の父母、5人の人物たちが二行の改行ごとに一人称になることは、一人の作家が書いていることを知っているので分裂的で、統合失調的で…

夏の暑さ、セザンヌ

夏の暑さ、2016年7月28日、1分前、いつも歩く道を行って、帰ってきたところだ。セザンヌを交響楽と例えるなら、モランディはピアノソナタだ、とちいさなちいさな入江観は言った。(曇り空なのに夕焼けが斜め前の窓から網戸越しに入り込む)ノートパソコンの…

吉増剛造「我が詩的自伝」

前々回に書いたものを読むと、カレンダーでいう3ヶ月のことが見えてくるかもしれない。3ヶ月前に見えていなかったもの、今読むと予感はすでに書かれているが自覚されていなかったであろうものが、現在から見ることができる。吉増剛造の「我が詩的自伝」を…

しばらく更新休みます。

彼について、症例

彼と話しているとき僕は一つの症例を相手にしてるかのようだ。「ズレと一致」がキーワードである。僕が聞く。それを彼はズレているか一致しているか答える。ズレている場合軌道修正し、一致している場合それをもとに次の質問に移る。彼は彼で自覚した症状を…

阿部和重「シンセミア」

二日前から、阿部和重の「シンセミア」を読んでいます。(今から書くことが、これからさらに読んでいく上での手がかりとなったらいいと思います。) 全4冊あるうちの、1冊目143ページ目です。ここまでで気付いたことをおさらいします。「登場人物が多い…

証人喚問します。どうぞ。 「はい」 お願いします。 「お願いします」 さっそく尋ねましょう。

記事更新休みます。

対話、F氏

「おはようございます。9時57分です。あなたは今日何をしますか」 ついさっき雨が止んだところです。写真を撮りに行くのもいいかもしれません。 「久々にあなたから「写真」という言葉を聞きました。(今、グレープフルーツの香りがしましたね。そのとき…

吉本ばなな「N・P」

吉本ばなな「N・P」について、いくつかメモをしておこうと思います。まだ60ページほどしか読んでいませんが、この段階でのメモを、読み終えてからしか受けることのできないものの、芽となっているか、予感があるか、あるいは、まったく別のことになって…

対話

「10時54分です。あなたは今日何をしますか」 まず、吉本ばななの「N・P」を読むことになります。これは、昨日の夜に少し読もうとして、ほんの少ししか読まなかった本です。なので1ページ目を開くと「160412」というハンコが押してあり、6ペー…

対話

「18:01分です。あなたは今日何をしますか」 その前に、今日何をしたか、について聞いてください。 「あなたはとても疲れています。22時には眠りそうですね。残りの4時間、何をしますか」 もうあと4時間しかないのですか。なるほど。時間を、その数…

わかりにくさ

ねむい。 眠りたいが、歩かなければいけない。 (あえて、読みにくく(つまりわかりにくく)書く人は、なんでか。わかりにくく書いたあとに、わかりやすく書き直したなら、いいけど。もし、なにかがそこにあるなら、そこにはなにもないよっ、あるとしても透…

道をぐんぐん歩く

コーヒーを飲むと目がさめる以上に落ち着かなくなる。つまり、ただじっとしていることがたまらなくなり、家にいるなら部屋のなかを行ったり来たりして、外にいたなら道をぐんぐん歩き続ける。一歩ずつ力強く足音がするくらいだ。このときいつも思い浮かぶの…

トオマス・マンとバルザック、カラス

昨日、トオマス・マンとバルザックの短編を1つずつ読みました。トオマス・マンは「魔の山」という長編で有名ですが、バルザックも比較的世間に知られているのは「ゴリオ爺さん」などの長編で、短編となると、あまり読まれていないようである。長編の方が面…

川にエックハルト説教集を落とした

川にエックハルト説教集を落とした。川というのは水がたくさん流れているあの川だ。そしてエックハルトというのはあのマイスター・エックハルトのことだ。今手元にはその本と、「カフカ・セレクションI 時空/認知」がある。昨日、家に面した道を右へ行って…

川へ歩く、ペットボトル

夕方、川へ行く。まだ春なので、この時間帯はほんとうはまだ見上げなければならないところに日があり、行って帰ってもまだ日は落ちていないから、夕方ではないのだけれど、夕方と言ってしまう。4時とは言いたくない。何と言えばいいのかわからない。風がす…

キャラクタアと、キャラクタアではない。

雨が降っていることに長い間気づかなかった。窓から見える景色は晴れ渡っていたからだ。だが、その窓は、かなり遠くの景色を区切っていて、この町のどこをも、このベッドからは見ることはできなかった。なにをする気力もなく、なにを考えているということも…