きみのからだがくるしんでいるというので、ぼくはきみのためになりたかった。きみのからだがはきけをもよおしているので、ぼくはうけざらになりたかった。
 でもできない
 果ての果てから、叫ぶ声がする、果実が実る、その汁を吸う、ぼくらはきれいなもののために、ぼくらはなつかしいもののために。
 歌詞なんているのか、そう問うきみの声、説明不足じゃ、からまりつづける、割れた空は、赤い膿を出し、乾いた月は、切り落とされる。
 そうさ、曇り空でも、そうさ、あの日のあの声を、そうさ、すべての誘いに、そうさ、できそこないを与えて。