苦痛。しずかに揺れている。振り返ることができるなら、ぼくは安心するだろう。でも。さまざまなことが過ぎてゆく。構築されたものを解体して、解体したものを構築する。きみの指先がさすもの。諦念がまとわりつき、なにかをしようとする気を起こさせない。それでもぼくは作る、作らなければならない、なぜか。作ることによってしかぼくはぼくをすくうことができない。作っている間は、なにものにも縛られない。では、作り終わったあとは? ぼくは目をつむって、最低な日々のことを思い出す。そうすると少し楽になる。でもまた次があって……不安が、いつまでもある。