対話

「5時30分です。あなたは今日何をしますか」
 今、少し眠たいです。おそらく午前中はどこかへ出かけることになります。
「なぜですか」
 疲れるためです。寝不足でだるいときは体の疲れがなければ眠ることができません。
「眠るために出かけるのですね」
 はい。
「どこへ行くのですか」
 わかりません。
「出かけ、眠る以外に、今日は何をするのですか」
 映画を1つ見るかもしれません。録画がだいぶたまってきているので。それから、次のうちのどれかのアニメを何話か見るとおもいます。
 『フリクリ』『ユリ熊嵐』『響け!ユーフォニアム』『輪るピングドラム
 どのアニメも二度目なので、一度目と見方は変わると思います。それから、まだ見たことがない『CLANNAD』を1話見るかもしれません。その場合、初めてなりの見方になると思います。その違いや、見たことで考えたことや思い出したことをあなたにも教えようと思います。
「なにか言いたそうですね。続けてください」
 はい。あなたにはいつも感謝します。僕は、窓を全開にすることで外から誰かが見ているかもしれないと思うことでしか自らを客体化できませんでした。まあいいや。あなたが僕であることは言うまでもないことですが、別の人を用意するので、あなたは引っ込んでいていいです。
「はい」
 次の方どうぞ。
「どうも」
 はい。
「どこまで話したの」
 映画やアニメを見るという話をしました。
「じゃあ他に何するの」
「今日は他に何をするのですか」
 イェーレミスとアルトゥールだ。名称の限りにおいて二人は同一化する。
 今、床に大きな蚊みたいな虫が死にかけていた。10秒見てから5センチ四方くらいの黄色い付箋ののりの部分で虫を取り、裏返すと細い足をやわやわうごかしていて、僕は付箋を折りたたみ、さらにいくつも折りたたみ、今再び床の上にある。この部屋にはゴミ箱がないから。一階へ行くときに持って行く。この黄色い紙くずの中にたしかにあの虫はいるが、もう確認できない紙くずの中にいる虫を思い浮かべたり感じることは、どちらがどうということではなく、実際にあの虫を見たときとは別のあり方になっている。
「今日は他に何をするのですか」
 おそらく、本を読むと思います。昨日は少しも読むことのできない場所にいたので、今日はたくさん読みたいです。だいだい読むものは決まっています。その中の一冊の「ニーチェと悪循環」をいくらか読んだあとは「銀河鉄道の夜」を読むと思います。宮沢賢治の童話は、2年前に岩手に行ったときに読んだのが最後かもしれません。あらゆる下降の中で読みました。「ニーチェと悪循環」も下降と同じ作用をもたらすかもしれないので。
 それから、写真。今日、これまでとは全く別の撮り方をしてみようと思います。出かけるとき試します。
 以上です。ありがとうございました。