撮り方

写真を撮るとき、ものを捉えようとするときの、この感じ。俯瞰ではない。自分と同じようにそこにそれがあるということ、そして自分というものがただ体に収まっていないように、よくわからない広がり(単なる空間的な広がりなわけではないと思う)を感じること。そして、シャッターを押す、その指の1ミリの降下による、ものと自分がたしかな一致をするとき。これらのように書くこと。あるいは読むこと。

草や木や花など植物と自分との境界はないのだということ。人の体の表面と空気にはミクロレベルでいうと境目はないらしい。1ミリが10個あって1センチになるのではない。1センチは1センチ。1センチは10個の1ミリが詰まってるのではなくて、1センチあり、1センチの中は感じることしかできない。

大事なことは何度でも言った方がいいし、何度でも書いた方がいい、と彼は言った。