F氏へ、衒学的

 あなたのその読み方には、あきらかに見落としているものがあります。ですが、精密で機能的なものさしでしかはかることができないものがあるのですね。理解できないものをどこまでも減らしていこうとする形式。と、こう簡単に書くのは、浅はかかもしれません。
 信じきってしまった抜け目のない考え方に対して、ほとんど同一してしまっているが仮の他人のものさしとして、外側から、自分とものさしとの間に視線を与え続ける。そうしようと思うことがすでに「ほとんど」の「少しも同一していなさ」であるが、先にすすんでゆくことで、明らかにぼくとは違うものとして乖離してゆく。だがまだ仮の他人のものさしなので、それを使ってみることで、さらに自分とのちがいを見つけることができるかもしれません。

 少し衒学的。