エレベーターが降りてくる。ぼくはレバーを食べている。隣には女がいて、名前はわからない、数字が光り、エレベーターが開く。ワニが立ってこっちを見ている。アリゲイタア、とワニが言う。女がぼくの左肘を押す。ぼくはワニのいるエレベーターの中に入ってゆく。ドアが閉じ、ぼくはワニに頭を食べられる。するとワニがぼくである。頭を食べ終え、首の根っこに口をつけて、血をごくごくと飲む。階は上がってゆく。ぼくは男の上半身を食べ終えると、男の下半身を放置する。血がだくだくと流れている。エレベーターの音が鳴り、最上階で、ドアが開く。そこは屋上だった。男と女が裸で入り乱れていた。カクテルの入ったグラスを手に持っている。男と女はぼくを見ると驚く。ぼくとはワニのことだ。男はぼくである。ワニは直立していて、女はワニを見ると驚き、グラスを落としてしまう。割れたグラスが太陽光を受ける。女は慌てて裸足で割れたグラスを踏み、血だらけになって騒ぎ出した。ワニは女を追いかけた。女はすぐにつかまった。食べられた。ぼくは最上階の隅に行き、淵に立って、やがて落ちた。落ちながら鳥になり、地面の寸前で飛び上がり、空を飛び、青い空の中で、糞をした。白い糞が、落ちていった。