聞こえてくるものに耳をすます、すると突然爆音の中にいる、ぼくは気が狂いそうになって、爆音から逃れようとする、でももう手遅れだ、ぼくの気は狂う、花は咲く、その異常さを、満開の花を、切実を。

 見えてくるものをじっと見つめる。どれだけ見ても、見えてくるものはかすかで、見えないということだけが分かってくる、ぼくは何でもいいから見たいと思う、でもそれはあらわれない、隠れている、隠れ続けている。だからぼくは目をナイフで切る、眼球の裂け目から肉が出る、その時、何が見えるか。やはり、何も見えないだろう。痛い痛いと思いながら、空白に向かい合うだろう。