『カラマーゾフの兄弟』と『建設現場』

 『カラマーゾフの兄弟』を読んでいる、面白いが、どんな感想が書けるだろう、上巻を180ページ読んだところだ、フョードルが道化を演じてスキャンダルを起こし終えた場面。ここで分析をしてみるか?しかしそんなことをしたことでどうにもならない、今のところ感想は無く、とにかく「次のページを読め!」というところだろう、『カラマーゾフの兄弟』は少しずつではなくまとめて読まなければ面白さが分からない、ヴァージニア・ウルフ灯台へ』も読んでいるが、これは文章の密度があり、読んだ後は物事を緻密に捉えるような書き方になる、小説のことだ、『カラマーゾフの兄弟』は密度はないが果てしなく大きい。だから数十ページを読んだところで何も捉えることはできない、とにかく先へ、先へと読むことを命じられるように読んでゆく。ガルシア・マルケス『族長の秋』は、面白いのだがぼくの体の調子と文体が合わず、読めても数ページずつだ、凝縮された言葉の連なりを浴びるように読みたいがそうするとぼくの頭が破裂しそうになってしまう、『カラマーゾフの兄弟』もうっかりすると自分の体調のことを忘れてもの凄い勢いで読んでしまうが気がつくと気がふれそうになっているということもあるので気をつけなければならない。 坂口恭平の『建設現場』も読んでいる、ぼくは小説の中で書くことについて書かれた文章が好きだ。主人公は常に手帳に文字を書いている。その文字も定かではない、ほんとうに書けているのかもわからない、そもそも何も書けていないかもしれない、そんな中で書かれる書くことについてがぼくは好きだ。