『カラマーゾフの兄弟』

 毎日何千字と小説を書いている。今書いているのは未熟なものだ、体の奥底に埋もれた人物たちの関わり合いを体から出し切るために、それがどんなに粗雑であっても、支離滅裂で破綻しようとも、溢れるままに書き続けている。

 今読んでいるのは主にドストエフスキーカラマーゾフの兄弟』。熱量が凄まじい。圧倒される。でもまだまだ始まったばかりだ。人物たちの思考を語り手が次々と描写してゆく。読み手であるぼくはぼくの中にも思考が渦巻くのが分かる。ぼくは『カラマーゾフの兄弟』の思考を借りてぼくの病の原因を論理的に、まだ稚拙なものであるが、理解し始めた。