眠くなってきました、昨晩は眠すぎて書けませんでした、これから何を書きましょうか、あくびをしては涙を流しています、ほんとうに眠気は来ているのか、試しに目をつむってみる、エスカレーターに乗っている、ぼくは一人ではない、待っているのはぼくだ、でも一人のときもあった、それはすごいことだ、今では考えられない、どうしてこうなってしまったのか、ぼくはまた巻き戻しにあう、目をつむる、やはり眠いのだろう、なつかしいものを一つだけでもいいから手にとって眺めていたい、触りたい、でも拒絶される、何から、わからない、朝はルパンの映画を見ていた、まだ続きだ、でもぼくは今から死ぬから、死ぬように寝るから、毒抜きされていてもいい、侮蔑するならすればいい、ぼくは眠るだけだ、それ以外にどんな対抗処置があるか、「時間を味方につける」とはどういうことか、村上春樹は難解か、アトランティスの神さま、そして皇后陛下、何も無理に言うことはない、もう五時間半も起きているのだから、おやすみなさい、でもまだ終わらない、眠る前に書くには早すぎる、眠りながら夢遊病のように書く、それか大島弓子の……作品名は思い出せないが、あなたに書いてもらうように、抱きしめ合うように、夢でも現実でもない文章の中で、死んだ人に会おう、生きている限り、実行できることがある、約束を守ろう、もう死ぬのでないのなら、でも死ぬように眠るのだ、ぼくのクローンにバトンタッチする、布団と毛布をかけて、部活の先輩の働く姿を見つめながら、おやすみなさい、またね。