村上春樹の『羊をめぐる冒険』を読んでいる。前半が終わるところだ。その少し前に『風の歌を聴け』を読んでいる。『1973年のピンボール』は途中で読みやめた。村上春樹は、友人が好きで、すべての作品を、何度も何度も読み返しているほどで、その彼の書…

片岡義男『窓の外を見てください』を読み終えた。ある批評家がツイッターに書いていたように「超自然体メタフィクション」だった。小説のなかに小説があるというのも不思議だった。小説のなかの小説が、小説を追い越そうとしていって、小説なのか現実なのか…

片岡義男の『窓の外を見てください』を三分の二ほど読んだ。その前に読んでいたカフカの『巣造り』も読み終わった。『巣造り』に関しては、もう十分感想を書いたので、『窓の外を見てください』について書こうと思う。『窓の外を見てください』は、駆け出し…

なにも書くことがない気がするが、書いてみる。ぼくは、今日はほとんど本を読んでいない。かろうじて読んだのは、福田拓也の『惑星のハウスダスト』の中の詩二篇である。『惑星のハウスダスト』を読んでいて思ったのは、坂口恭平の『けものになること』との…

カフカの『巣造り』を読んでいる。読んでは体調を崩している。いまのぼくにはまとまった量の文章を読むことができない、耐えられるだけのぎりぎりの量の文章を読むことにしている、それでもぼくは昼頃から調子を崩して、昼寝、というより横になって目をつむ…

カフカ『巣造り』

今日読んだのは、カフカの『巣造り』と、片岡義男の『窓の外を見てください』。『窓の外を見てください』は、昨日は結構読んだが、今日は数ページも読んでいないから、カフカの『巣造り』について書くことになる。ぼくは、親友が書いた『夢』という小説を、…

血、乱れて、意識、消えて、震える、手先を、透明な水に、漬ける、それ、がふくらみ、糸は、解釈を過ぎて、絶対、不安定、存在、散らばって、肉とともに、啄ばまれる、これは、詩です、不安定な、詩です、死です、紫色の、カンダタのように、閉じられたもの…

死を覚悟して、指を動かし、文字を綴る。何が出てきても、ぼくは無抵抗で、打ち負かされても、何も言わない、思わない、わたしは半分機械だから、半分のことはやり過ごすことができる、もう半分は肉体が、その水分が食らうが、それをプールーがかばってくれ…

お前は、ただただ絶望すればいい。絶望して、苦しめばいい。それが生きる喜びなんだろう。それなのに何故拒絶しようとしている。すべてのものが光り輝くと信じているのか。虚無が圧せられると思っているのか。お前は、死に近づけばいい。死んで、いつかまた…

爪先立ちして狂わせて、井戸端回転、井戸端回転、できそこないのミイラが飛んで、侍一太刀切る、切る、切る。

血をぬぐうように拭いて、ひかる表面を指でなぞる。ご覧の通りわたくしは、体が半分機械になった、その体で湖に落ちたんだ。書くことだけでは震えない、地殻変動が刻まれる、空高く、思うものもなく、明らかなことは確かで、自由の競争が行われる、ほら、見…

世界はどんどん壊れてゆく。ぼくはぼくとぼくをした。

扇風機が怖い。表情を変えずに風を送り出している。ぼくは扇風機をにらみつける。割れてしまえばいい。でも何も変わらない。当たり前だが、それが怖い。ぼくは足の指で扇風機の風量を調節する。強、から弱、になる。もっと怖くなる。ゆっくりとゆっくりと風…

生きとし生けるもの、その解体をば遂行し、天の力を恵みとともに授かり、何が起こったのかわからないまま白は白で黒は黒く描写する。

ざらざらと音がする、ぼくの頭は破裂の一歩手前だ、ざらざら、ざらざら。そしてその雑音の中に透明なものを見る、そう、ぼくはそれを心臓のように取り出してみることができる、透明なものに血の流れはない、脈打つこともない、しかしそれは心臓のようだ、心…

透明なものを手にして、静かに時計が言うのです、アラマイト、アラマイト。

静かに削られてゆく音がする、ひりひりと痛むような、血が滲み出るような。

あざやかに切り取られた魚の首を、なまなましく見つめた少年は、修理不能な機械とともに暮らしている。

おそろしいものを書けるんだね……空が、真っ赤に熟れている。光のような糸がそこから降りてきて……静かなその糸を折りたたむ。難しいことはない、何ももとめていない、ただ通り過ぎるだけで……幻視が待ち構えている、すべてはもっと複雑に構えているのだと……鳥…

ぼくはいま、小説を書き、詩を書き、絵を描き、詩を筆写し、ヨガの呼吸法とアーサナをし、歩き、走り、写真を撮り、歌をうたい、本を読んでいる。今年の6月1日から段々とこれらのことが始まり、いまはそのすべてを習慣化している。病を創造のエネルギーとし…

じりじりと削れてゆく、意図的な拝借を無視して、そこで行われているのは隠微な結合だ、魚や鳥が混ざり合う、出会いは少ない、だが未来を保証できるわけでもない、発散ができればいい、無理心中する必要もない、生きた証が欲しいだけだ、でもそれは無駄なこ…

手が腐ってゆく、その手でひかりに触れる、あたたかい、でもつめたくもある、その手できみに触れる、きみは微笑んでぼくの手を取り、口づけをする、ぼくの手は落ちてしまった、体から、そしてぼくの内部が漏れ出してゆく、やがてそれは氾濫になり、とめどな…

ちいさくてきれいで、まるくてつるつるしている。それをてにとって、くちにふくむときもちいい。そらがはれわたっている、くもがちぎれてきえそうになっている、そのままぼくのちからがぬけてゆく。からだがなくなってゆくきがする。きじゃない、からだがな…

ざらついた感触のただ中で、きみが血を吐き出している、その通りのままに、血は流れてゆく、きれいなものや汚いものを通して。そして栄光が開かれる、万物は流転しながら、時計じかけのオレンジさながらに、蛍光色が散りばめられて。竜王は語る、アソファキ…

夢を見つめる、意図的な背景を無視して、そこに開かれているのはわたしの心臓、変わらないものの石、操作的面、重要度は変わらない、かすかなうねり、形容詞の剥奪、さまよう言語、そこら中にばら撒かれて。 さらばと言おう、この古びた町を捨てて、かれは空…

そう、どこからか電話のベルの音がして、目を覚ましたぼくらは、いつのまにか月の話をしていた。そうして過ぎてゆく時間のなかで、目に見えないものを触ろうとして、それは拒絶され、あえなく失速し、意気阻喪し、重要文化財の隅から、時計が跳ねてやってき…

誰にでも会いに行けるようになりたい。電話ができるようになりたい。本を読み耽られるようになりたい。一日中小説を書けるようになりたい。一人になれるようになりたい。人のためになりたい。

人のために

人のためになるだけの力が今のぼくにはあるのか。ぼくは無理をしていないか。

「もう一人のわたし」と「わたし」

「もう一人のわたし」による「わたし」への介入によって、「もう一人のわたし」が「わたし」に打って変わることはあるだろうか。その場合、どのような介入が必要だろう。現状の圧倒的な自覚か。「もう一人のわたし」の圧倒的な自覚が、「わたし」と一致した…

「わたし」と「もう一人のわたし」

「わたし」と「もう一人のわたし」を区別して考えなければいけない。病むのは「わたし」だ、「もう一人のわたし」ではない。「もう一人のわたし」が、「わたし」を分析することが出来る。「もう一人のわたし」が、「わたし」を助けることができる。でも、ど…